教員紹介

平瀬 直樹

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<専攻>
日本中世史 これまで中世前期の研究もしたが、現在は主として中世後期です。

<研究テーマ>
・守護大名大内氏の領国支配と宗教の関係
・北陸地方における寺社勢力と社会の関係

<担当授業>
・演習
「日本中世寺院史演習A」
1、「吾妻鏡」から①壇ノ浦合戦、②俊乗房重源の東大寺大仏再建の記事を取り上げ、読み下し、現代語訳したうえ、その歴史的性格について考察します。
2、中世史の骨格を知るうえで重要な論文を読んで議論します。特に黒田俊雄氏の研究のうち、①国家の構造(「権門体制論」)、②国家と宗教(「顕密体制論」)、③卑賤観念、に関するものを取り上げます。
・特殊講義
「日本中世地域史特殊講義」
室町時代における地域の意義を考察するため、守護大名大内氏と幕府との関係を論じ、特に2人の当主に焦点を当てます。
1、大内義弘
公武統一を目指す足利義満の時期に、強力な外様大名が存在できた点に、当時の国家の特質を見出したいと思います。
2、大内政弘
応仁の乱で西軍をになった政弘期における大内氏の勢力を中世国家の中に位置付けたいと思います。

<自己紹介>
大学院生の時は高野山を中心に真言密教系寺院と荘園支配の関係を研究していました。現在では、「妙見信仰」のような、正統的な密教ではなく、様々な契機で形成された中世後期の民間信仰について研究を進めています。

<近況>
2003年度は金沢大学と姉妹校であるベルギー王国のゲント大学に海外研修(私費)に行かせてもらいました。このことはキリスト教世界における社会と宗教の関係との比較から、自分の研究を見つめ直すとともに、西欧中世史研究の方法論を学ぶ機会となりました。ベルギーは西欧中世史研究のメッカであり、特にゲント市のあるフランドル地方は中世文化遺産の宝庫です。西欧の中世史研究者たちは、文献史料を保護し、それによる実証的研究を大事にしており、あらためて研究の基本を教えられました。
2007年から2年間にわたり能登半島地震により経蔵が破損した常徳寺(志賀町)の文化財調査に、院生・学生とともに参加しました。これらの文化財は幕末の2代の住職が集積した黄檗版大蔵経及び3,800冊にのぼる典籍です。これらを修復、調査、目録化することにより、破損や散逸を防ぐことに努め、これらの作業は院生・学生にとっては貴重な経験となりました。

<学生へのメッセージ>
私たちの専門分野では、古文書を読み、活字史料を分析し、実証的に考察するといった、研究のためのひとそろいの方法論(method)を身に着けることができます。それは、特定の時代に偏るものではなく、将来どのような文化財に出会っても、きっと研究や保護活動の役に立つものと信じています。それゆえ日本史学には、どんな職業に就こうと、地域の文化財を守り、研究し続ける魂を持つ人に来てもらいたいと願っています。